ISO9001規格:聞かれると痛い[4項] 経営に効くツボとは
ISO9001規格:聞かれると痛い[4項] 経営に効くツボとは
企業を取り巻く事業環境の変化は益々スピーディになり、企業はその厳しい変化の波に常にさらされています。ISO9001規格もそんな社会変化に対応し、従来の品質管理に加え2015年版では経営的視点の重要性が強化されました。特に規格4項はISO9001:2015年版のエッセンスが記載されています。今回は、その4項のポイントをまとめてみました。
1:組織の目的や事業の戦略的な方向付けをする
経営層として「組織としてどうなりたいか?」「組織をどうしていきたいか?」といった明確なビジョンを打ち出し、品質マネジメントシステム(QMS)を運用していくことにより達成されるべき結果を見据えることを要求されています。
2:組織を取り巻く外部や内部の状況を知り、組織の課題を洗い出す
経営や組織運営に影響を与える物事を幅広くとらえ、組織における課題を特定します。
例)外部状況
為替変動による仕入れコストの変化・銀行金利の動向、法規制の変更、消費税の変更、取引先の生産量の変化、業界再編による競争力、技術の変化、ライバル他社の台頭、等
例)内部状況
機械・設備の導入や不足・老朽化、人員・技術者・有資格者・特定年齢層の増減、顧客数や受注量の変動、外注や供給者の不足、等
3:利害関係者の特定をしてニーズや期待を明確にする
利害関係者には、顧客、エンドユーザー、外注や仕入れ先、株主、従業員、監督官庁、業界団体、等があり得ます。このような利害関係者に対して、QMSのニーズや期待を明確にします。
4:外部・内部の状況と課題に基づきISOをどこに?何に?適用するかを決める
ISO9001:2015年版以前では比較的自由に適用範囲を決定できましたが、2015年版では組織の主力製品や主要業務、作業場所を除外することは理に適わない規格構成になっています。それを踏まえ、適用する業務・人・場所、等の適用範囲を決め、その適用範囲に必要なプロセスを明確にして仕事と乖離したシステムにならないようにします。
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